干 潟 / ひがた
干 潟 / ひがた
2007年5月4日
黄金週間に、唯一の休みを利用して家族で千葉県木更津の干潟まで潮干狩りに出掛けた。
この連休が始まったばかりの頃、潮干狩りに出掛ける大勢の人達の亊がニュースになってい
たので、相当の混雑を予想して出向いたのだが、思った程の混み様では無かった。
入場料(大人¥1,200、子供¥600)なるものを支払い、一定量(2kg/大人、1kg/子供)までその金額に含まれるシステムである。
干潟に入る前までは、そう安々と採れるものではないと思っていたが、熊手を一掻きすれば
「がりっ」と手応えがあり、さらに砂の中で手をまさぐれば、2、3個のアサリを手にする
事ができる。
当然、人工的に蒔いたアサリであるのは判っていはいるが、採れるとなるといつもの採集本
能に火が付き、夢中で収穫に励んでしまった。
ふと、目を上げると、廻りの人たちも同じように腰を屈めて黙々とアサリを収穫している。
一日のうち数時間しか訪れない干潮の時間帯に、レジャーとはいえ皆取り憑かれたように、黙々と貝の採取に励んでいる。
その様子は、生きるために食べ物を確保する、かつての狩猟採集社会の縄文時代を思い起こ
させる趣があった。人間の生命力には、まだまだ力強いものがあるに違いない。
持ち帰ったアサリ達は、桶にはった塩水の中で「ぴゅーぴゅーと」元気に砂を掃き出している。しばらくすると、おいしいごちそうとして、食卓の前に上がる事を知らずに…。
龍口元哉建築設計事務所
Motoya Tatsuguchi architect